写真撮影Q&A
花火写真の撮影でよくある疑問や悩みについて、Q&A形式でまとめました。
- どんなカメラを使えば綺麗に撮影できますか?
-
リモコンに対応したレンズ交換型一眼カメラが最もおすすめです。
花火写真の撮影に適したカメラの条件は以下の通りとなります。
- バルブ撮影に対応している
- ケーブルリモコン(Bluetoothリモコンも可)に対応している
- ベースISO感度が低い(目安としてはISO100以下)
- 電子水準器が備わっている
- 防塵・防滴に対応している
一眼カメラ(中級機以上を推奨)であれば、花火写真の撮影が可能です。
あわせて読みたい
花火写真の撮影にはどんなカメラがおすすめ?選ぶにあたっての要件は?
- スマートフォンでも綺麗に写真は撮れますか?
-
現状は非常に困難です。
花火写真の撮影にあたり、数秒〜数十秒にわたって光を取り込みつつ(シャッタースピード)、カメラに入ってくる光の量を抑える(絞り、ISO感度)必要があります。
しかしながら多くのスマートフォンのカメラは基本的にシャッタースピードおよびISO感度の設定が不可能もしくは制限があるのに加え、搭載されているレンズは明るいかつ絞りが変更できない機構(例:iPhone 14 ProのレンズはF1.8〜2.2で固定)となっています。
一応のところ不可能ではないらしいのですが、花火写真の撮影には向いていないと考えていただければと思います。(動画撮影がおすすめです)
あわせて読みたい
スマートフォンで花火写真が綺麗に撮れないのはなぜ?その理由をざっくり解説
- 交換レンズはズームレンズと単焦点レンズのどちらがおすすめですか?
-
ズームレンズがおすすめです。
主な理由としては以下の2点が挙げられます。
- 撮影する大会によって最適な焦点距離が異なる
- 同じ大会でも希望の立ち位置が得られるとは限らない
一般的に単焦点レンズの方が画質は良い傾向にありますが、画角の融通が効かない欠点があります。
メイン会場での撮影が主体となる場合、広角ズームレンズ、標準ズームレンズの2本を用意すると良いでしょう。
あわせて読みたい
花火写真の撮影にはどんなレンズがおすすめ?選ぶ際の要件をざっくり解説
- どんな三脚がおすすめですか?
-
以下の条件を満たしている三脚が個人的におすすめです。
- 素材:カーボン
- 雲台:3way
- 耐荷重:積載する機材重量の2〜3倍程度
- パイプ径:積載する機材重量による(28mm以上を推奨)
- 段数:3段 or 4段
- 全伸高:アイレベルになる程度
- 格納高:航空機の手荷物として持ち込む場合は60cm以下
基本的に三脚は大きくて重いほど安定感が出やすい傾向にある一方、主たる移動手段やご自身の体力によっては持ち運びの負担が増してしまう可能性があります。
安定感を重視しつつ、移動の負担を極力減らせるものを選ぶと良いでしょう。
あわせて読みたい
花火写真の撮影にはどんな三脚がおすすめ?選ぶにあたっての要件は?
- 花火写真の撮影にNDフィルターは必要ですか?
-
白飛びを効果的に防ぐ観点から、個人的にはあった方が良い(ほぼ必須品)と考えています。
花火写真の撮影は以下の3つの機材があれば実現できます。
- レンズ交換型一眼カメラ
- 三脚
- リモコン
光量がそれほど多くない単打ち花火であれば白飛びするリスクは少ないですが、光量の多いスターマインでは絞りだけでは対処しきれないケースが多々あります。(特にフィナーレでよく見られる錦冠や銀冠を中心としたスターマインはかなり厳しい)
主な白飛び対策としては大きく以下の3つがあります。
- 絞りを絞る
- シャッターを途中で分割して合成処理を施す
- NDフィルターを併用する
絞りを絞っての対処もできますが、回折現象によって花火の光跡が綺麗に出なくなりがちです。(特にイメージセンサーの小さいカメラは影響が顕著に現れます)
白飛びリスクを効果的に低減する観点から、可能であればNDフィルターを導入しておくと良いでしょう。
なお、濃度についてはND4(センサーが小型な場合はND8)程度がおすすめです。
あわせて読みたい
花火写真の撮影におけるNDフィルターの役割と選び方
- ハーフNDフィルターは花火写真の撮影に使えますか?
-
可能ですが、場所を選びます。
ハーフNDフィルターは減光効果が段階的に変化する特殊なNDフィルターで、花火写真の撮影においては以下のメリットをもたらします。
- 花火部分の白飛びを抑止する
- 副題(観客、景色など)の黒つぶれを抑止する
一方で以下のようなデメリットもあります。
- 地形が入り組んだ場所では写真全体に違和感が生じる
- 緻密なセッティングが求められる
花火の全体がすっきり見える場所で、会場の雰囲気や夜景を副題として取り入れたい場合に有効です。
なお、ハーフNDフィルターにはいくつか種類があり、花火写真の撮影ではハードタイプもしくはリバースタイプがおすすめです。
あわせて読みたい
花火写真の撮影にハーフNDフィルターってどう?使用時の効果や注意点は?
- 拡張ISO感度を使ってベース感度未満にしたら白飛びは防げますか?
-
拡張ISO感度でベース感度より下げても白飛びは防げません。
拡張感度はベースISO感度(カメラで設定可能な最低感度)で撮影した写真に対して内部処理(レタッチ)を施すことで擬似的に実現しています。(カメラメーカーのサイトに「ISO○○相当」と記載があるのはこのためです)
ベースISO感度の状態で白飛びを起こすような状況に対して拡張ISO感度を適用しても、白飛びが防げるわけではありません。
カメラの設定(絞り)やNDフィルターの併用で対応しましょう。
あわせて読みたい
花火写真の撮影で拡張感度の使用がNGなのはなぜ?その理由を解説
- 焦点距離はどのぐらいにすれば良いのでしょうか?
-
花火の規模(号数、展開幅)、撮影場所と打ち上げ場所までの距離によって大きく異なるため画一的な答えはありませんが、すごくざっくりまとめると以下の通りとなります。
- メイン会場内:広角〜標準域
- メイン会場外:標準〜望遠域
過去に撮影経験のある有識者に直接聞いてみても良いかもしれません。
具体的な計算方法は以下で解説していますので、参考にしていただけますと幸いです。(算出には花火に関する知識が必要になります)
あわせて読みたい
花火写真の撮影に最適な焦点距離ってどのぐらい?計算方法をざっくり解説
- 露出オーバー(白飛び)を防ぐためにはどうすれば良いですか?
-
白飛びを防ぐための方法は大きく2つあります。
- 絞りを絞る(F値を大きくする)
- NDフィルターを併用する
絞りを絞るのが最も手っ取り早いですが、絞りすぎると回折現象が発生して花火の光跡が綺麗に出なくなってしまうデメリットがあります。
NDフィルターを使用して減光しつつ、それでも対処が難しい場合は少し絞る(1段程度)のがおすすめです。
あわせて読みたい
花火写真の撮影で厄介な露出オーバー(白飛び)を防止する方法
- 自宅でも撮影の練習はできますか?
-
動画コンテンツを活用した撮影の練習が可能です。
あわせて読みたい
自宅でカンタン!花火写真の撮影を練習する方法を解説
- 広角レンズを使って撮影した際に花火の歪みを抑える方法はありますか?
-
以下の方法で歪みを緩和できます。
- 花火から距離を取る
- 構図の四隅に花火が入らないようにする
- レタッチで補正する
この他に魚眼レンズを使用する方法もあります。(出てくる絵面に相当なインパクトが生じるため好みが分かれます)
あわせて読みたい
広角レンズで撮影した写真上の花火が歪むのはなぜ?その理由と対策を解説
- 複数の写真を合成して(重ねて)1枚の写真に仕立てる方法はありますか?
-
写真編集ソフトを使用すると実現できます。
本サイトではAdobe Photoshopを用いた合成方法を紹介していますので、参考にして頂けますと幸いです。
あわせて読みたい
花火写真を合成する(重ねる)方法と注意点
